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事例紹介

事例インタビュー

株式会社森長組様

兵庫県南あわじ市を拠点に建設業を営む森長組様。代表取締役社長 森 宏文様と常務取締役 不動博之様に、業務基盤整備に踏み切った理由、プロジェクトを通じた組織の変化、そして経営のあり方について率直に語っていただきました。展示会でのアメリスとの出会いから約1年、現場からの提案がきっかけとなって始まったプロジェクトは、経理部門の属人化を解消するにとどまらず、若手社員の成長と組織全体の「ステージアップ」をもたらしました。

プロフィール

株式会社森長組

代表取締役社長 森 宏文様(中左)

常務取締役 不動 博之様(左)

アメリス株式会社

代表取締役 橘高 康朗(中右)

コンサルタント 美馬 拓人(右)

※記事中の所属・役職名などは2026年06月取材時点のものです

1「このままでは立ちゆかない」——
属人化への危機感が動かした一歩

展示会で「これだ」と確信した瞬間

橘高弊社の展示会にご来場いただいた際、社長が率先して社員を集めてデモをご覧いただいたとお聞きしました。そもそも展示会にいらしたきっかけは何だったのでしょうか。
森社長

会場でアメリスのデモを拝見した際、フロー図を使った業務整理の手法を目にして、「これだ」と直感しました。会場のあちこちにいた社員をブースに呼び集め、皆でデモを見たのです。このアプローチであれば属人化の解消に確かにつながると感じました。

担当者の高齢化が問題意識を高めていた

橘高属人化の問題は以前からご認識されていたのですか?
森社長

年々、その意識は高まっていました。担当者の年齢が上がっていく中で、途中で退職するという具体的な事例も生じておりました。事務管理部門は特に高齢化が進んでおり、「この人間がいなくなれば誰にも分からない」という業務が少なくない実態がありました。

その危機感こそが、展示会へ足を運んだそもそもの動機であったと言えます。

2なぜ1年後に着手できたのか——
現場からの「やりたい」が決め手

現場に考える時間を与えた経営判断

橘高展示会から約1年後にプロジェクトをスタートされましたね。その間、社内ではどのような動きがあったのでしょうか。
森社長

展示会でデモを拝見し、「これは活用できる」と手応えを感じましたが、担当者に対して「やれ」と押しつけることは、私の考えとして一切しませんでした。まず自分たちで考え、試行錯誤する時間を与えようと。その過程で独力での取り組みを試み、結果としてアメリスのサポートを得た方が良いと自ら判断するに至ったのだと理解しています。上から押しつけるのではなく、現場が自ら「やりたい」と声を上げるまで待つ—それが私の経営の流儀です。

約1年が経った頃に、社員の中から「アメリスのシステムを使って取り組みたい」という提案が上がってきた時は、これが理想の形だと思いました。上意下達ではなく、現場が「やりたい」と自発的に声を上げる——そういう形になったことを、経営者として大変心強く受け止めました。

経理部門特有の難しさ―専門外の部門長が奮闘

不動常務

社長は部門長に対して「これが課題だ、解決せよ」と発信し続けておられました。ただ、弊社の経理部門長は経理畑の出身ではございません。したがって、どう進めるべきか相当苦慮したと思います。

何のためにやるのか、どこまでの範囲をやればいいのか、道筋が見えないままの取り組みでしたので。アメリスに依頼した後、まず全体のゴールを地図として描いていただきました。「これだけの手順書を整備しなければならない」という全体マップを最初に示してくれたのです。経営理念に紐づいた目的の整理もしていただいたことで、メンバーが取り組みの意義を理解しやすくなりました。

以前、自分たちでExcelを使って試みた際は、目的が定まらないまま作業が進んでいたため、完成したものが実務に使いにくい代物になってしまっていたのです。

3自分たちで作り上げた——プロジェクトが生んだ自信

「別人のように成長した」若手リーダーの変化

橘高プロジェクト完了から約4ヶ月が経ちましたが、振り返ってみて特に感じる変化はありますか?
不動常務

プロジェクトの成果物は、すべてメンバー自身の手で作り上げたものです。これまでは自分が担当する業務には精通していても、他の業務には関心を向けないという状況が少なくありませんでした。それがプロジェクトを通じて、自らの業務を体系的に整理し、さらにどう改善すべきかまで考えるようになりました。

新たなことに挑戦しようという意欲が、組織全体に確かに芽生えています。プロジェクトリーダーを務めた方は、今やチームを牽引していく存在です。学生時代からキャプテンを務めてきた素質の持ち主でしたが、このプロジェクトを通じてその資質がさらに開花したのではないかと見ています。

マニュアルが「教育の教科書」になった

不動常務

以前は経理部門でジョブローテーションがほとんど行えていませんでした。長年にわたり同じ担当者が同じ業務を担い続けたことで、属人化が一層深刻化していたのです。

今回、業務手順書とマニュアルが整備されたことで、人材を柔軟に動かせるようになりました。新しく入ってきた社員にも「まずこれを見て習得するように」と言えるようになった。これが人材育成の教科書として機能していくはずです。

現在はちょうど基幹システムの入れ替えを進めているところですが、経理フローが変わっても、自分たちである程度対応できるという確信があります。以前であれば途方に暮れていたような局面でも、自分たちで改善できるという自信が組織に根づいた——それがこのプロジェクトの最も大きな変化だと感じています。

4経営と現場の「風通し」——
組織を一枚岩にする取締役会の仕組み

役員全員で課題を共有する月次会議

橘高役員間の風通しの良さが御社の強さだと感じますが、意識的に取り組まれていることはありますか?
森社長

取締役には折に触れて申し伝えていることがあります。取締役に就いた瞬間から、出身部門の利益代表であることは一切捨ててもらいたいと。森長組の取締役として、会社全体を俯瞰して考えることが本来の職責であります。「他部門のことには口を出せない」などという言葉は、我が社の役員から決して出てはならないと、強く伝えてきました。

不動常務

社長が就任されてから、役員が月に1回集まって重点課題を全員で議論する会議を設けております。通常の役員会とは別に、「今まさに取り組まなければならない課題」を各自が発表し、共通認識を形成する場です。今回のアメリスとのプロジェクトも、他の役員全員が内容を把握していましたし、「あなたの問題」「あの部署の問題」という話には決してなりません。それが森長組の組織としての強みだと認識しています。

5組織は次のステージへ——次の課題と未来への展望

「2つの意味でステージが上がった」

橘高プロジェクトの最終報告の場で不動常務が「組織のステージが上がった」とおっしゃっていたのが非常に印象的でした。あれはどういう意味合いだったのしょうか?
森社長

2つの意味がございます。1つは、これまで抱えていた属人化の問題が解消され、組織として盤石な体制が整ったという意味。もう一つは、ほぼ自分たちの力で業務手順書を作り上げたことで、社員一人ひとりの実力が確かに向上したという意味です。

この2つが掛け合わさって「ステージが一段上がった」と表現しました。これからは基幹システムの入れ替えをはじめとする様々な変化が生じても、自分たちで対応できるという土台が整っています。アメリスに依存せず自立して動ける領域が広がった——それも今回の取り組みが生んだ重要な変化です。

AIを活用した「規程と業務の連動」へ

橘高今後の展望についても聞かせてください。
森社長

直近では会計システムと原価システム、電子取引系のシステムを6月から稼働させています。さらに経費精算・勤怠管理のシステム導入も進めていく方針です。その先に見据えているのは、社内規程の類をすべてAIに読み込ませ、判断補助として活用できる仕組みの構築です。「この申請は妥当かどうか」をAIに確認できる環境を整えていきたいと考えています。

AIが正しく機能するためには、業務プロセスと規程の整備が両輪で進まなければならない、今回の経験がそれを教えてくれました。ただし、AIが正しく機能するためには、規程類が適切に整備されていなければなりません。

業務プロセスの整備と規程の整備は、車の両輪のように同時に進めなければAIも機能しないということは、今回の取り組みを通じて実感しています。今回の経理部門での成果を他の部門にも横展開していくことが、次のステップと捉えています。

橘高「業務が属人化している」という課題は、多くの中小建設会社が共通して抱えています。森長組様が他と違ったのは、社長が展示会でその解決策を見た瞬間に「これだ」と確信し、かつ現場が「やりたい」と言うまで待つ経営の器量があったことだと思います。上から押しつけるのではなく、現場の自発性を引き出しながら、それを全役員で共有する組織づくりがあってこそ、プロジェクトは成功し、社員の成長へとつながったのですね。
本日はありがとうございました。

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