プロフィール
大日本印刷株式会社
情報イノベーション事業部 ICT品質保証本部 本部長船戸 美恵 様(中央右)
情報イノベーション事業部 ICT品質保証本部 副本部長竹内 久 様(右2)
情報イノベーション事業部 ICT品質保証本部 PMO部 部長小竹 祐太郎 様(右1)
アメリス株式会社
代表取締役橘高 康朗(中央左)
取締役長久 晶子(左2)
顧問呑田 好文(左1)
※記事中の所属・役職名などは2021年12月取材時点のものです
1業務改革の背景
「三位一体での事業マネジメント」が課題
- 長久今回は、「ICTビジネスプロセス変革」から2年ほど経過した今だからこそ語れる、プロジェクトの振り返り、業務改革の過程で得た現在につながる気づき、そして、成果についてお伺いできればと思います。
-
小竹様
昨今のデジタル化に伴い、当社の中でも ICT系の開発案件の重要性が増してまいりました。従来からの「ICT規程」と「各種様式・帳票」である程度属人的に業務を回していたのですが、事業部の規模が拡大していく中で、特に案件の入口における進め方に様々な課題を感じていた、というのが2019年当時の状況でした。
特に当時は、戦略的に案件受注を進めるうえで社内調整・決裁に時間がかかり、案件が滞留してしまうなどの問題が生じており、営業、企画、開発の3部門の合意形成をいかにスムーズに行うか、すなわち「三位一体での事業マネジメント」がテーマとなっておりました。
「どうして現場は動かないんだろう……」
-
船戸様
品質保証本部として、規程と様式は用意したのに、どうして現場は動かないんだろう……、どう教えればいいんだろう……、というのが当時の悩みでした。思えば、視座が低かったなと。
そう、当時は恥ずかしながら、「プロセス」の重要性を理解していなかったんです。言わば、「規程」と「様式・帳票」の間を有機的につなぐものがない状態。それでは、何がどこに位置づけられるものなのかわからないから、物事がうまく進まなくて当然ですよね。
「プロセスを変えるのは我々の使命だ」
-
竹内様
DNP のプロセスは、印刷をルーツにしたものでしたので、ICT案件にはマッチしていませんでした。そこで私は DNP に来てから、「私たちもICT案件を成功させるためのプロセスを新しく作っていこう」と提唱し、皆に何度も働きかけました。
私たちの変革は「プロセス」が変わらなければ成し遂げられません。今までのビジネスの価値観・プロセスをベースにしていては齟齬や軋轢を生んでしまいますから。しかし、プロセスを変えて変革するといっても、これまでのものを「捨てる」というのではなく、「引き出す」というイメージが大事で、つまりそれは、世の中の現状(ニーズ)と私たちの知見・知財をきれいに整理・体系化したうえで、これを新たにプロセスとして組み直すということになります。そして当然それは大仕事になります。
この大仕事を、スピード感を持って進めていくためには、これを(ただでさえ忙しくていっぱいいっぱいな)現場任せにするのではなく、私たちのような支援部門が主体となって取り組むべきだと思っています。その勘所を固めるうえでは、外からの力も必要ということで、アメリスに手伝ってもらうことにした、というのがはじまりですね。