中間管理職板ばさみ相談室
板挟みの悩み多き中間管理職。あなたの悩みが、みんなのヒントに!?
1000人規模の自衛隊の元指揮官、大企業の顧問を長年経験した組織運営のベテランが、
あなたのお仕事の悩みにお答えします。
Q3
「優秀なはずの部下が仕事をしない!」
- 2022-12-12
- サービス業 営業所長 Cさん(50代)のお悩み
都内本社から他県の営業所に、営業所長として赴任した50代管理職です。
新しい部下のモチベーションコントロールに悩んでいます。
部下となる係長は、私が本社にいる時にやり取りをしたことがあり、その時は必要な資料をすぐに作成してくれるなど、とても優秀だと感じていました。
しかし、いざ私が赴任して上司として仕事を頼むと、なかなか動かず、必要な資料は何度催促しても上がってきません。
着任早々、大事なお客様向けの資料が締切ギリギリとなり、生きた心地がしませんでした。
仕方がないので、資料の大枠は自分で作って、穴を埋めるだけの作業をお願いしているのですが、そのデータも間違いが多く、しかもケアレスミスばかり。心ここにあらず、というか…
私が着任する前はその係長が自分で作っていたので、出来ないことはないはずです。もっと強く注意した方がいいのかと思いつつ、言えずにおります。
これからも机を並べて仕事をするので、どのように働きかけをするのが良いか迷っています。
A3
「原因の探求には、善意の解釈を」
離れていたときには優秀だと思っていたのに、いざ上司として赴任したら、仕事が思うように上がってこないということが起こってしまったのですね。
人間関係は最初が肝心ですね。
まず、原因の探求が必要です。以下のような理由が考えられるのではないでしょうか。
- 上の人が来たから、自分がやらなくていいと思った
- 上の人が来たので、不平不満がある
- 単純に嫌い、上の人を試している
- プライベートや健康上の理由
- 資料の必要性に疑問をもっている
最後に上げた「資料の必要性への疑問」であれば、これはしっかり目的を説明する必要があります。
プレゼン資料作成であれば、部下の作成を待たずに自分で作って、自分の力を見せるという方法があります。
原因の探求については、善意に解釈して「あなたにはあなたの理由があったんだね」とコミュニケーションをとるということも心掛けてください。
事後に原因についてやんわりと訊くこと、それがコミュニケーションのきっかけ材料となります。
そして横に座っているのであれば、仕事以外の会話をしてみましょう。
どういうものに興味を持っているか、部下の好きなものを知る、質問をしていくということが円滑なコミュニケーションに繋がります。
大事に至らないために、赴任して最初にぎくしゃくしたことがよいことだったと考えてみてはいかがでしょうか。今後のために役に立つと思いますよ。
今回のまとめ
- 起こってしまったことは、後から分析
- 原因の探求には、善意の解釈を
- 仕事に関係のない質問でコミュニケーションを深める
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回答者: 呑田好文
元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師。
毎週土曜日+α近所の居酒屋に通ってます。他愛ない話で盛り上がるのが最高です。