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Q22
「意思の変わった経営者の下で
意思の変わらない部下たち」

  • 2023-10-10
  • 小売業 マネージャー(40代)

私は、小売業の店舗で働くプレイングマネージャーです。最近経営者の考え方が急に変わり、マネジメントに関する勉強会やミーティングを頻繁に実施するようになりました。現場の部下たちからは、「そんなことをする時間があれば、一人でも多くのお客さまに対応したほうが良い。」「そんな勉強会を実施して何になるのか?」という不満の声が聞こえてきます。経営者は、将来のことを考えて、現場で考え行動できる組織作りをしたいと言っており、私自身はその必要性を理解しています。一方で、人手不足の中、精一杯頑張ってくれている現場の部下たちが、そういう発言をする気持ちもわかります。どのように伝えれば、部下たちは経営者の考え方を理解してくれるのでしょうか。

A22
真のリーダーとは部下の意識改革を図るもの

「親心子知らず」とはこのことですね。なかなか上の人が意図していることが末端まで浸透しにくいものです。そこに、プレイングマネージャーであるあなたの出番があります。
まずは、経営者の意思の具現者(補佐者)として、経営者の考えを深く理解しましょう。経営者は、何のためにマネジメントの勉強会やミーティングをするのでしょうか?あなたが経営者の立場になったつもりで、その意図と目的をしっかり分析し、理解しないといけません。あなたに限っては大丈夫だと思いますが、一番やってはいけないことは、現場の部下たちの意見に同調することです。
さて、ここからは、部下たちにどのように伝えていくか、です。あなたの役割は、現場の部下たちに、勉強会やミーティングの目的、必要性、重要性を、あの手この手で繰り返し説明し、浸透させることです。決してあきらめてはいけません。

そもそも、「勉強会やミーティング」と「現場のお客様対応」は相矛盾するものでしょうか?勉強会やミーティングで学んだことがお客様対応に役立つ場面もあろうかと思います。また、マネジメントに関する勉強会やミーティングは部下たち自身のためにも行われるものです。結果として会社の人材育成や会社のさらなる発展に繋がります。部下たちにとって長期的に大きなプラスであることを伝えて、理解させることが大切です。
どうしても勉強会やミーティングに参加しない部下、時間的な制約で参加できない部下に対しては、以下の方法により時間をつくってあげましょう。

  1. お客様対応に支障がない範囲で勉強会やミーティングに参加させる
  2. お客様対応がある場合、誰か支障のない他の社員と交代させて、勉強会やミーティングに参加させる
  3. どうしても参加しないようであれば、強制的に会社の命令として従わせる

あなたが経営者と部下たちの板ばさみになって困った、と手をこまねいていては、この問題は解決できません。真のリーダーとして、部下の意識改革を図りましょう。そのためには、日頃から、部下たちに対して、状況の変化に対応する柔軟性を持つことの重要性を伝え、心構えを養っておくことが大切です。ポイントは、決して相手を変えようとしないことです。変えようとすればするほど、うまくいきません。まずは、部下が頑張っていることを認めて、なぜそんなことを言っているのか、不満の声をよく聞いてあげることです。話をよく聞き、その人の大変さに共感する、というコミュニケーションを繰り返していれば、段々と信頼関係が築くことができます。その上で、今度はあなたの意思・考えを反復して伝えるのです。その際には、短期的ではなく長期的な視点で、“必ずあなた(部下)のためになる”ということを、熱意をもって説き、浸透させましょう。
大変ですが、将来の部下たちのために、そして会社の発展のために、諦めずに頑張ってください!応援しています。

今回のまとめ

  • 経営者の意思の具現者(補佐者)としての役割を認識し、部下の意識改革を図りましょう。
  • 部下たちの話をよく聞いて信頼関係を築いた上で、勉強会やミーティングの目的、必要性、重要性を繰り返し説明し、浸透させましょう。
担当者コメント

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回答者: 呑田好文

元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師

自分と他人は違います。意見の違いは、間違いではありません。“違い”と“間違い”を混同しないようにしましょう。

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