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中間管理職板ばさみ相談室

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Q60
あの時、未来を語ったリーダーは
どこへ行ってしまったのか

  • 2026-6-22
  • サービス業 経営企画部長 40代

我が社では、全社的な変革プロジェクトが立ち上がり、私は経営企画部長として、その推進を任されています。

プロジェクト発足当初、リーダーである役員は深い理解を示してくれました。キックオフの場では「わが社の未来のために、このプロジェクトを成功させよう。そのためには皆さんの力が必要だ」と熱く語っていたのです。

ところがプロジェクトが進むにつれて、その役員は自身の多忙を理由に本気さを失っていきました。方針を決める大事な会議では「これから全社的に推進していく必要はあるね」といった建前論を口にするだけで、肝心の意思決定は「もう少し検討してから」と先送りを繰り返すようになったのです。

尽力してきたメンバーも、最近では「これだけ現場が動いているのに、リーダーはあれで本気なんですか」と、私に不満をぶつけてくるようになりました。

決心できずにペンディングを繰り返すリーダーと、それでも成功を信じて踏ん張るメンバー。その板挟みで、私はどう手を打つべきか見いだせずにいます。このままではメンバーの心が離れ、改革も道半ばで頓挫しかねません。かといって、私から役員に「本気を出してください」と迫ることもできず、示しがつかないまま日々が過ぎていきます。

経営企画部長として、どうすればリーダーである役員に、もう一度「本気の熱量」を呼び覚ますことができるのでしょうか。

A60
上を動かすのは“下からの本気の熱量”

本質問は、リーダーである役員が、プロジェクト発足当初の熱意がだんだんと低下し、本気さを失ってきたことに対して、どうすれば本気の熱量を呼び覚ませるのか、ということですね。役員本人に「何故、熱意が下がったのですか」とか「もっと本気を出してリードして下さい」とは、なかなか言いにくいことです。

あなたは今、決心できずペンディングを繰り返す役員と、それでも成功を信じて踏ん張るメンバーとの間で、まさに板挟みになっておられます。

そこで、まず一緒に考えてみたいことがあります。

「役員の本気」は本当に成功の必須条件でしょうか

リーダーである役員の「本気の熱量」を呼び覚ますことが、プロジェクト成功の必須の条件なのでしょうか。

他人(役員)の考えを変えることはできません。部長であるあなたが役員に「本気を出して下さい」と迫るのも、立場として無理があります。

そもそも、この役員はプロジェクトをあなた(部長)以下に任せているのであって、プロジェクトを止めるように言っている訳ではありません。一度立ち上がり、改革の必要性も認められているプロジェクトです。「上がこうだから」「ああだから」と言っている間は、プロジェクトは進みませんし、本当の成果も出ないと思います。

私は、上の人がこうだから自分は頑張れないのだ、という理由を作ってしまうことを、いささか不思議に思うのです。

「下から上を動かす」気概を、本気で持つ

人(役員)を変えたかったら、まず自分(部長)が変わることです。何故なら、本プロジェクトは経営企画部長であるあなたに、その推進が任されているのですから…。

まずは、あなたが役員を補佐し、役員に代わってリーダーであるという自覚を持つことです。役員に本気を求めるより、あなたがチームをまとめて一生懸命にプロジェクトを進め、メンバーのやる気・本気度に火を灯し続け、その熱量を役員に伝えていく。そうして再び、役員の「本気の熱量」を呼び覚まして頂きましょう!

やる気がない、波風を立てたくない、現状維持に満足する、そんな経営陣(実際こんな経営陣はいないと思いますが…)をも動かしてしまう本気度が必要だと思います。

このプロジェクトが真に会社の将来の変革のために重要かつ必要であるならば、たとえ一人のメンバーであっても、この信念を貫くくらいの気持ちで事に当りましょう。

役員との対話は欠かせない

ここで一度、問題点を整理しておきます。

  • 一つ目は、リーダーである役員の問題です。プロジェクト発足当初の熱意・本気度が、プロジェクトが進むにつれて下がっていった。その理由が全く分からない、明らかにされていないということ。
  • 二つ目は、経営企画部長であるあなたの問題です。役員に熱意・本気度がないのでプロジェクトが頓挫しそうだと困っていること。あなたが推進を任されているにもかかわらず…。
  • 三つ目は、メンバーの人達です。本件では、現場のメンバーが懸命に動き、成功を信じて踏ん張ってくれています。だからこそ大切なのは、その熱意の火を絶やさないこと、そして、その頑張りを成果に結びつけ、役員に確かに届けていくことです。

立場の違いはあっても、一度立ち上がったプロジェクトを粘り強く最後までやり抜く。その覚悟を、現場のメンバーはすでに示してくれています。いまはその思いに、上がどう応えるかが問われています。

その上で申し上げたいのは、役員のトーンダウンには、まだ語られていない事情があるのかもしれない、ということです。本気度をなくした理由が定かでない以上、決めつけてはいけません。プロジェクト推進の責任者であるあなたが、役員と密にコミュニケーションを取り、もっと本件について話し合って下さい。でなければ、メンバーが本当に困ってしまいます。

リーダーの意思が定まらず、コロコロと変わっていては、部下はどうしていいか分からなくなります。

本来であれば、リーダーが再度、意思決定し、本プロジェクトを強力に推進すると宣言すべきです。そうすればメンバーも自ずとやる気が出て頑張るものです。上司たるもの、部下のやる気を削ぐような言動は、厳に戒めたいものです。

前提が変わったときは柔軟に対応する

役員と話し合った結果、本プロジェクトを続行するか中止するかをはっきりさせることも一案です。

決心を変更(中止)する場合の考慮事項は、次のとおりです。

  • 当初計画したプロジェクトを進める必要性(理由)がなくなった。問題が解決した等。
  • 周辺の環境が大きく変わり、プロジェクトを変更(再考)する必要が生じた。会社を取り巻く環境の急変、資源(人・物・金)の問題等。

ただし、一度決めたことを軽々に変更すべきではありません。プロジェクトを解散するという重大な決心には、それなりの理由が要ります。

一方で、立ち上げ当初と環境や状況が大きく変わり、前提条件が変化したような場合には、遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)することなく決心を変更する柔軟性も、また大事なことです。

経営企画部長であるあなたの考え、言動で、プロジェクトのメンバーに本気度の火を灯し続けて下さい。下からの熱量こそが、ペンディングを繰り返すリーダーを再び動かす力になります。

今回のまとめ

  • 人(役員)を変えることは出来ないので自分(部長)が変わる。そこから道は拓ける。
  • 上を動かす気概を持つ。
  • リーダーの意思決定は、部下に重大な影響を及ぼすことを認識する。

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回答者: 呑田好文

元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師

6月に入り、台風が襲来し、また梅雨前線の影響を受けやすくなります。一方、田舎の風物詩である田植え等が始まり、紫陽花が咲き乱れ、まさにこの時期ならではの情緒を感じます。皆様のこの時期の風物詩は何ですか?

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