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Amelys Journal

企業内情報管理シリーズ①
企業の信頼を左右する情報管理。
守るべき3つの企業内重要情報とは?

  • 2022-09-26
  • 情報管理コラム

企業の個人情報漏えい事故や、技術情報流出などの事案があとを絶ちません。情報管理に関するトラブルは、企業にとって、売上減のみならず、事後対応のための多大な費用、信頼・ブランドイメージの毀損など、大きな損害につながるリスクとなっています。
そこでこのコラムでは、5回にわたって情報管理について解説。第1回では、いま、企業に適切な情報管理が求められる理由、そして企業が特に取扱や管理に注意すべき3つの重要情報についてお伝えします。

大企業をも揺るがす情報トラブル

情報管理に関して人々の大きな注目を集めた事案のひとつが、2014年に起きたベネッセの顧客情報漏えい事件です。氏名や住所などの個人情報が累計で2億件、流出したといわれています。ベネッセの業務再委託先の社員が個人スマホで個人情報を持ち出して転売し、約500社、6次取得者まで流出しました。

個人情報管理体制の甘さを露呈させたベネッセは、会員数減や赤字転落、損害賠償訴訟・株主代表訴訟などにより、大きな損害を被りました。ベネッセのみならず、個人情報を購入した側の企業イメージが低下し、株価が下がるなどの影響も出ました。

また、技術情報を流出させる「産業スパイ」と呼ばれる事件も起きています。新日鐵住金(当時)の元社員が、高額報酬でライバル企業であるポスコに技術情報を流出。2012年に始まった訴訟では、新日鐵住金からポスコに、約1千億円の賠償請求がなされました(2015年に300億円の支払いで和解)。

2021年に上場企業が漏えいした個人情報は574万人分に及び、情報漏えい事故の件数や社数は過去最多に達しています。また、2020年の「営業秘密の不正取得(営業秘密侵害罪)」の摘発件数も22件で、過去最多を記録しています。

高度に発達した情報化社会の中、一度報じられた情報漏えいなどの事案は、インターネット上に残り続けます。ニュースなどで報じられなくなってからも、検索等で簡単にその企業が起こしてしまった事案にたどり着くことができます。一度失った信頼を取り戻すのは難しい時代だからこそ、企業イメージを大きく低下させるトラブルを未然に防ぐことが、企業の成長のために不可欠なのです。

なぜいま情報管理が重要なのか?

ではなぜ、昨今これほどに、情報管理の重要性が注目されるのでしょうか。
それは次の4つの理由が考えられます。

  1. 情報量の増大
    ひとつめの理由は、世界の情報量が劇的に増加していること。2000年からの20年間で、世界のデータ総量は1万倍になりました。企業が取扱う情報の量に比例して、重要性も高まっています。
  2. 情報がビジネスの中心に
    情報ビジネスの台頭も要因のひとつです。2021年9月時点で、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の時価総額合計が東証一部合計を超えていることからもわかるように、情報を取扱う会社が世界のビジネスをけん引しています。
  3. 情報の有効活用化
    情報をいかに有効活用できるかどうかが、業務の価値・効率性を大きく左右するようなビジネスの仕組みになってきています。情報がリアルタイムに取得・活用されることで、企業の生産性が劇的に向上するのです。
  4. 情報流出のリスク増大
    取扱う情報の増加により、企業の情報流出が発生しやすくなっています。また、インターネット技術の発展により、一度情報が拡散すると止めることは難しく、悪評や損害や大きく広がるリスクも増しています。

ビジネスにおいていま、企業内の情報を「スピーディに有効活用すること」と「要所をおさえて適切に管理すること」の両立が求められています。
そのためには、「情報管理」のルールを適切に、作成・運用することが重要です。

適切に管理すべき企業内情報の種類

では、企業が重視すべき情報には、どのようなものがあるのでしょうか。
一般的な企業であれば、以下の3つの重要情報について、まずは管理体制を整えていくことをお勧めします。

  1. 営業秘密情報
    生産方法、技術情報など、事業活動に有用で広く知られていない、企業内で秘密として管理されている情報のこと。
  2. 個人情報
    生存する個人に関する情報。氏名や生年月日、名刺に記載された情報、画像情報など、特定の個人を識別できるもの。
  3. インサイダー情報
    上場会社の株価に一定の影響を与えるような、未公表の重要事実。

なお、これらのどれか1つの情報が守られるのみでは、充分な管理とは言えません。複数の情報が包括的に守られ、活用されるルールを構築していくことが重要です。

まずは守るべき企業内情報を整理しましょう!

皆さん、もしくは皆さんの会社の情報管理ご担当者様は、自社内で厳しく管理すべき情報について、すべて把握していらっしゃいますか?重要情報の適切な取扱いは、企業の成長や外部からの信頼に関わる大切なテーマです。
機能的な情報管理を行うために、まずは、自社が重視すべき企業内情報について洗い出すことから始めましょう。

次回は、「営業秘密管理の具体的なポイント」を詳しく解説します。

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