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中間管理職板ばさみ相談室

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1000人規模の自衛隊の元指揮官、大企業の顧問を長年経験した組織運営のベテランが、
あなたのお仕事の悩みにお答えします。

Q6
「自分勝手な上司に、
部下の提案を横取りされてしまった」

  • 2023-02-06
  • メーカー営業部課長 Fさん(40代)のお悩み

メーカーの営業部の課長です。
やる気のある部下が2名おり、熱心に指導していますが、上司である部長の行動に悩みを抱えています。

部長と私の関係は悪くないのですが、部長の独断と偏見に振り回されることが多く、半ばあきらめの気持ちで接しているところがあります。

少し前の話になりますが、部下から社内システムの使い方について提案がありました。他部署にも関係する話だったので、「部下のAさんの提案です。とても良い提案なので、ぜひ実行に向けてご検討ください。」と書面にして部長へ渡しましたが、その場で却下されてしまいました。

ところが、後日その提案と全く同じものが決裁され、部長の下で実行されると発表されました。どうやら部長が例の提案を基に、私や部下Aには何も言わずに社長決裁を取ったようです。驚いた部下から「却下されたはずでは」と詰め寄られましたが、何も言えませんでした。
そして、他部署と調整もせず部長の独断で進めようとしたため、このプロジェクトは頓挫してしまいました。

部下のやる気を削ぎ、自分の諦念を悟られてしまった苦い記憶です。どのように部下に声を掛けたらよかったのかと今も自問自答しています。

A6
会社は、勝負の場ではありません。

部長を他の人に変える、というわけにはいかないですね。(笑)
部下の提案を受けました、あなたが部長へ「部下の案です」と伝えた、とのやりとりに解決の糸口があるように思います。

部下からの案を認めたら、その時点でそれはあなた(課長)の案になります。
ですから、本気で提案をしないと却下されますから、事務的に「これは部下の案です」と持っていくのではなく、他の課長に相談したり、根回しをして、自分の案としてまとめてから提案をするのが良かったのです。
部長が認めてくれなかった、という責任転嫁に繋がるような姿勢が透けて見えていてはだめなのです。
あなたが「断固実行する」という意思の強さで取り組んで、努力してダメだった場合には、部下は納得したと思いますよ。
会社をよくするためには、誰の案かということは二の次です。

会社は、競争はあるけれど、勝負の場ではありません。
部長との人間関係においても、「この課長が言ってくるのであれば、間違いない」というものにまで作り上げておく必要があります。

それは、自分のためではありません。
上の人と仲良くするのは、部下のためです。いかに自分の部下を働きやすくするかと考えての行動です。

それにしても困った部長ではありますが、他人を変えることはできません。
仕事上の手柄は上司および部下に与えることです。決して自分の手柄にしないという心構えが重要です。

今回のまとめ

  • 人のための仕事をするのが楽しい。
  • 部下の案を認めたら、それはあなたの案。責任を持ち、推し進めましょう!

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回答者: 呑田好文

元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師

川沿いの散歩が定番。孫からのプレゼントのウォーキングシューズが自慢です。

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