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中間管理職板ばさみ相談室
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Q19
「他の社員を潰すモンスター社員」
- 2023-08-28
- サービス業 中間管理職(20代)
同じ会社内に、他の社員をいじめて潰す社員がいます。彼は各プロジェクトのチェックをする立場なのですが、攻撃的な発言、揚げ足取り、他の社員の悪口などが目立ち、事前に決めた評価軸と異なる観点で評価が返ってくることもしばしばです。
彼と一緒に仕事をするスタッフ達は疲弊してしまい、これまでも多くの退職者が出ています。いじめられた社員たちは、引継ぎもないまま辞めてしまう(職場に来なくなってしまう)ため、現場はスキルの蓄積もなく混乱しており、一層彼にいじめられるという悪循環になってしまっています。
会社内では「彼はそういう人だから仕方ないので、対応する人には耐えてもらうしかない」という雰囲気です。私も彼と一緒に仕事をするようになり、何とか1年ほどコミュニケーションを取ってきましたが、先が見えません。上司は状況を理解し、相談にのってはくれるのですが、「自分の所管ではないので、どうすることもできない」という回答でした。
私は、今後どのように対処していけば良いでしょうか。
A19
客観性をもって冷静に対応しましょう
なかなか難しい問題ですね。困ったものです。
そんな人がいても、見て見ぬふりをして、誰も指導したり咎めたりすることができないとは、まさに先が見えません。
そもそも、会社がその人を認めてプロジェクトのチェックをする立場に据えているということですよね。つまり、その人は実力があると認められているということでしょう。会社のためにならない人をそんな立場につけているとしたら、それは経営者の完全なミスです。
この問題の解決策としては、
- 社長や経営陣に直訴して何とかしてもらう(指導・注意する、他の職務などへの配置転換など)
- 彼の良いところ探しをして受け入れる努力をする
の2つが挙げられます。
上の立場の人に直訴して指導をしてくれれば良いのですが、指導しないとすれば、その人も彼を認め、受け入れているということになります。
もし上の立場の人、すなわち会社が認めている人なのであれば、二つの目の策として、彼の発言・言動について今一度チェックし直すこと。つまり、彼の言動に受け入れるべき良い点はないか、好意的な見方ができないかを考えましょう。彼の良いところ探しをして受け入れる努力をするということです。人は全てが悪くて、良いところが一つもない人などいません。また欠点のない人もいません。そんな上司や部下を受け入れる努力をすることが必要な場合もあります。
他人を変えることはできません。他人を変えたければ、まず自分が変わることです。
受け取る側が、攻撃的な発言と捉えてしまう、という解釈の問題はないでしょうか。言っている本人は攻撃している訳ではなく、強く言うことでプロジェクトを成功に導きたいと思っているかもしれません。仕事のできる実力のある人が人格面で優れているとは限りません。発言を客観的に捉えてみましょう。
会社には、揚げ足を取る人や他の社員の悪口を言う人もいます。こんな人には意思を強く持って、仕事上の付き合いとして割り切って接していく覚悟が必要になりますね。今一度、自己点検を含め、冷静に対応してください。
今回のまとめ
- 仕事のできる実力のある人が人格者とは限りません。社長や経営陣に相談してみるのも手です。
- 会社が認めている人なのであれば、良いところ探しをして受け入れる努力をしましょう。
- 他人は変えられませんが、自分は変えられます。発言を客観的に捉え、冷静に対応しましょう。
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回答者: 呑田好文
元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師。
人におすすめしてもらった場所やお店には必ず足を運び、自分の目・口で確かめることを大切にしています。百聞は一見に如かず。その体験がまた次の新しい発見に繋がります。
業務改革を阻む相手にも使えそうな対処法ですね