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Q35
会議のあり方に疑問
- 2024-05-27
- 小売業 営業課長(30代)
うちの会社は会議が多いです。何かと会議、会議、と招集されます。先日も「A社への営業戦略を練るので会議する」と営業部長が号令をかけて、営業課長が隣の営業課、事務課等も含めて10人以上を集めました。説明者がA社の概要を説明し、「この会社の攻略に何か意見・アイデアはないか?」と一人一人に意見を求める会でした。これだけの内容であれば、営業部の一部でミーティングすれば済む話ではないかと思いました。ここだけの話、若手社員は内職し、隣の課長は寝ていました。会議終了後、部下も「こういう意味のない会議はやめてほしいですよね」と私にこぼしていましたが全く同感です。過去に一度、部長に相談して、「そうだよね」と共感はしてもらったものの、具体的に改善されることなく今に至ります。これも会社の文化だなと最近は諦めてしまいました。どうすればこういう会議がなくなるのか。もし、これが有意義な会議になる方法があるのであれば、教えてもらいたいです。
A35
会議の目的を確立する
会議(ミーティング、打ち合わせ等)と称してむやみに部下を集めたがる上司はよくいます。多くの人を集めれば集めるほどその人達の貴重な時間を使うわけですから、会議はしっかり準備して効率的に行うべきです。
そこで皆さんに質問です。そもそも会議は何のために実施するのでしょうか。ここから理解しないと、それこそ無駄なダラダラ会議で多くの人の時間を浪費してしまうことになりかねません。
そこで、今回は会議について基本的な事項をお話して参考に供したいと思います。
まず第一に、この件は会議をやらなければ解決できないのかということです。この会議は何のためにやるのか(目的の確立)、会議以外の方法でその目的を達成できないのかを最初に考えましょう。
会議の必要性の有無を検討し、真に必要な会議のみを実施することです。
次に会議を行うことにより、その目的を達成することが効率的・効果的であると結論を出したならば、それから会議実施の準備に入りましょう。
準備の手順は以下の通りです。
- 会議の目的を確立する
- 会議が目的から外れてダラダラとならないように注意する
- 会議の名称を決める
- 一見して会議の目的などが分かるようにする
- 会議の参集者を決める
- 目的達成のため最小限必要な人員とする
- 実施日時・場所の決定
- 参集者が集まれるように、またはオンラインで参加可能なようにする
- 会議に必要な資料を準備する
- 参集者に対しての準備依頼
- 事前の課題、考えてきてもらう内容等があれば参集者に伝達する
また、実施にあたって重要なことは以下の事柄です。
- 主宰者を明確にする
- 会議の開会・閉会を宣する習慣をつけて会議にけじめをつける
- 司会者の指名を行う
- 必要に応じて決定する。主宰者が兼ねることもある。
- 議事進行(プログラム)を決定する
- (3.)に基づく時間配分を決定する
- 決議・決定事項を明確にする
- 質疑応答の時間を設ける(議事と分ける)
- 最終的な結論の確認を実施する
- 決定事項・承認事項などを再確認する
- 今後の予定を連絡する
- 所定の時間内に会議を終了する
私の少ない経験においては、時間通り整斉と会議を始めないことも多々見られましたので、初めと終わりの時間を守ること、守らせることも大切だと思います。
また、参集者は、お互いに他の人の発言内容を正しく理解するとともに会議の目的達成に寄与する建設的な意見を簡潔に述べること。さらに、部外者が会議に参加する場合は、部外者の積極的発言と協力が得られるように配慮することも重要です。
以上、会議の準備から実施について縷々述べましたが、社員一人一人が会議について基本を学び習熟することが重要です。
上記はあくまでも基本です。基本を身に付けたら、実際の場面で応用していきましょう。会議の準備、実施の項目をチェックして、最小限の時間内にその目的を達成できるように心がけることです。無駄な会議、必要以上に時間を費やすダラダラ会議だけは避けたいものです。
本質問では、会議以外でもその目的(攻略の発見・アイデアを求める)を達成できるようですね。また、必要以上に社員を集めています。参集者の選定を適切に行い、多くの無関係な社員の時間を浪費しないことです。どうしても会議を行わなければならない議題のみを取り上げ、事前に上司に会議の趣旨を説明するなど指導を仰ぐと、会議をなくすことができるかもしれません。
会社における会議体を決めておき、思い付きの会議をしないことも大事です。
とかく上司は部下を集めたがるものです。部下の仕事の邪魔をしない(少し言い過ぎかもしれないですが)という配慮が欲しいですね。
社内に根付いた“会議、会議と称して人を集める習慣”は何とか打破したいですね。そのためには、「会議と称して人の時間までも取る行為は悪であり、会議が多すぎるのは会社の効率的業務実施の妨げになる」という位の強い考え方を社内に浸透させ、それを会社の文化にしてほしいものです。第一歩として、上下一体となった良いコミュニケーションができる明るい雰囲気の社内(職場)づくりから取り組むと良いと思います。
私は決して会議を否定している訳ではありません。会議は社内では必要かつ重要なものです。しっかり会議の基本を理解して効率の良い、生産性の高い会議を実施してほしいと願うものです。
会社において「会議の実施について」という小冊子・マニュアルなどを作成し、社員全員に配布、教育するのも良いでしょう。
以上、参考となれば幸甚です。
今回のまとめ
- 会議の目的を確立し、会議以外の方法でその目的を達成できないのかをまず考える
- 社員一人一人が会議の基本を理解し、生産性の高い会議を実施する
- 人の時間を取る行為への意識を高め、社内に浸透させる努力を行う
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担当者コメント
組織文化を変えるのは容易ではありませんが、コツコツと取り組んでよい組織にしていきたいですね。
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