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番外編
「補佐道➀ 基本動作」

  • 2024-04-08

「補佐道」とは、自衛隊時代の指導教本で学んだ考え方です。トップ(上司)を補佐する幕僚、すなわち民間企業におけるスタッフのあるべき姿勢を示したもので、フォロワーシップとも言い換えられます。トップ(上司)が然るべきリーダーシップを発揮するためには、スタッフもフォロワーシップを発揮しなければなりません。「補佐道」は組織に属する者、全員にとって大切なものなのです。

初めに、補佐道の基本動作からお伝えします。基本動作とは、その名の通り、業務を行う上での基本的な動作や姿勢を示したものです。新入社員でも誰でも、能力に関わらず取り組むことができます。部下育成の際にも参考にしていただきたいと思います。

<補佐道の基本動作>

基本動作は、以下の1~4の動作にA~Cの要素を掛け合わせることがポイントです。

  1. 理解・確認
  2. 起案(意見具申)
  3. 実行
  4. 報告(中間・最終)
  1. 適時性
  2. 先行性
  3. 並行性
1.理解・確認「指示を正確に理解せよ」

まず初めに、スタッフの仕事は、上司の意図を1点の疑義を挟まず理解することから始まります。よって、話を聞くときは、必ずメモを取って聞き、正確に内容を理解します。慣れてくるとメモも取らずに話を聞く人が意外と多いものです。1回聞いただけで頭の中で正確に理解し、それを忘れずにいられる人はそれほど多くはないので、メモを取るということは基本の動作です。メモを取った上で、内容が理解できなければ、理解できるまで質問し確認することも大切です。分かったふりはよくありません。上司が忙しい中、初歩的なことを質問するのは気が引けるかもしれませんが、分かったふりをして、仕事を進めてしまうことはもっと悪い結果を招くことになります。人間は本来、「教えたがる生き物」なので、恐れずその習性をうまく利用しましょう。上司は熱心に質問してくれる人は可愛いと思うものですので、案外大丈夫です。

2.起案(意見具申)「信念をもって起案せよ」

次に、起案(意見具申)です。指示を正確に理解できたら、その指示に従って、具体的な計画や方法を上司に起案します。起案する前に、その意見は目的・目標を達成するために必要な計画であるのか、有効な方法であるのかをしっかりと自分の中で練り、腹落ちさせることが大切です。その上で信念をもって起案するのです。たとえ上司の意見と違ったとしても、上司の判断を容易にするため、反対意見でさえも重要な意味があります。
このステップではあなたが起案者として上司の立場になったつもりでしっかり考え、信念をもって起案することが重要です。

3.実行「いざ実行!そして実行の確認をせよ」

自分の起案に対して、上司や他部署の指示・承諾をもらえたら、いよいよ実行(計画策定)です。自分が実行する場合もあるでしょうし、あなたがまた別の誰かに指示を出して実行してもらうケースもあるかと思います。後者の場合は、実行管理が大切になってきます。指示を出したら出しっぱなしにならないように気を付けましょう。

4.報告(中間・最終)「中間報告を怠るな」

最後は指示・承諾に対しての報告です。特に、中間報告を行うことは重要です。これがあることで上司は安心してあなたに業務を任せることができ、信頼が得られます。あなたにとっても、最後の最後で結論がひっくり返らないためのリスクヘッジができますので、中間段階における報告及び指導受けは積極的に行い、上司の意図にかなっているかを確認して仕事を進めましょう。その後、最終報告まで実施し、一連の流れが完了となります。

機を逸した報告に価値なし

これらの動作に、A)適時性・B)先行性・C)並行性を掛け合わせることが補佐道の基本動作のポイントです。せっかくの報告も適切なタイミングを逃してしまうと、無意味なものになってしまいますので、前段の情報収集の時間配分やスケジュールには常に気を遣う必要があります。そして、常に上司の行動を先読みして、後手にならないように自分が先行して業務を行うという意識も大切です。以上のことを、自分一人ではなく、他のスタッフとともに協力・並行して行うことが「組織的な仕事」です。周りを巻き込みながら、組織として最大価値を発揮できるように上司を補佐しましょう。以上、基本動作に前述の3つを掛け合わせることをぜひ意識していただきたいと思います。

次回は、基本動作の続きとして「補佐道➁ 心得7か条」をご紹介したいと思います。

板ばさみ相談室では皆さまからのお悩みを募集しております。
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回答者: 呑田好文

元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師

「補佐道 基本動作と心得7か条」
ダウンロードはこちら

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