中間管理職板ばさみ相談室
板挟みの悩み多き中間管理職。あなたの悩みが、みんなのヒントに!?
1000人規模の自衛隊の元指揮官、大企業の顧問を長年経験した組織運営のベテランが、
あなたのお仕事の悩みにお答えします。
番外編
「補佐道➁ 心得7か条」
- 2024-04-15
前回のコラムでは、トップ(上司)を補佐する幕僚、すなわち民間企業におけるスタッフのあるべき姿勢として「補佐道➀ 基本動作」をご紹介しました。今回は、補佐道➁として、心得7か条をまとめてみました。ぜひ目を通してみてください。
<補佐道 心得7か条>
- トップの判断に資する
スタッフは常に先行的に業務を進めて、意見・情報を提供し、トップの適時適切な判断を補佐する。 - 威徳を発揚する
スタッフは社内外において、長たる上司の権威を失墜するような言動を慎み、その人徳を高めるよう心掛ける。 - 思考環境を整える
トップが、重要な決心を正しくするために、余計な情報や雑用など煩わしい要素に惑わされないように環境や情報を整理する。 - トップの決定には潔く従う
意見具申をして、たとえトップが自分の意見と違う決定をしたとしても、虚心坦懐、その決定に潔く従う。 - 社内の気風を明るくする
自己の所属する職場内の雰囲気を明るく積極はつらつとした気風を醸成する。 - スタッフ同士仲良くする
スタッフ同士は常に仲良く接し、協力一致して補佐を全うする。 - 厳しい状況下でも決して逃げない
仕事上色んな困難な場面に遭遇しても常に沈着冷静、決してあきらめず専心職務を全うする。
以上です。
いかがでしたか。自衛隊時代の指導教本から学んだ内容を私なりにまとめていますので、聞きなれない用語もあったかもしれませんが、トップを補佐する上では、いずれも大切なことです。
自衛隊の中で「意図を体する」という言葉があります。人の意見や気持ちを理解し、それに従って行動するという意味です。言外に含まれるトップの思いや熱意などを理解して、トップの意図の実現にまい進できる人はトップに好まれ可愛がられます。「意図を体する」を意識して、補佐に努めましょう。
補佐道は一日にして成らず
補佐道は一朝一夕に習得できるものではありません。時々、自己点検の意味を込めて、実践できているかを振り返ることが大切です。そのような思考を繰り返すことでご自身の成長に繋がるはずです。
組織活動においては、様々な課題に直面する中で、トップへの不安や不満、悩みが生まれることもあるかもしれませんが、そのようなときこそ「補佐道」を発揮する時です。自分の心持ちを変えることができれば、結果として不安や不満の解消につながります。年齢や役職にかかわらず、たまに読み返して、日頃の自分を省みるよい機会としていただければ幸いです。
補佐道を究めたら、指揮道
スタッフの心得は以上ですが、一方、トップはどのようにあるべきなのか。次回以降のコラムでは「指揮道① 心得7か条」と「指揮道② 基本動作」をご紹介いたします。「指揮道」と「補佐道」の両方を理解することで、自分が目指すべき姿が見えてくると思いますので、ぜひ引き続きご一読ください。
板ばさみ相談室では皆さまからのお悩みを募集しております。
お問い合わせフォームよりご連絡ください。
回答者: 呑田好文
元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師。