Skip to content(本文へジャンプ)

中間管理職板ばさみ相談室

板挟みの悩み多き中間管理職。あなたの悩みが、みんなのヒントに!?
1000人規模の自衛隊の元指揮官、大企業の顧問を長年経験した組織運営のベテランが、
あなたのお仕事の悩みにお答えします。

NEW

Q24
「属人化を解消せよ!のミッションに頭が痛い」

  • 2023-11-06
  • システム会社 総務部 課長(40代)

システム会社の総務部で課長として勤務しています。部下のAさんは長く総務部で勤めており、業務が属人化している状況です。今後のAさんの人事異動を鑑みて、部長から「他のメンバーが同じ業務ができるよう、早く属人化している状況を解消するように」とお達しがありました。それを受けて、私からAさんに、締切日を明確にしたうえで、業務マニュアル作成の指示をしたのですが、思うように進みません。はじめは残業して頑張っていたのですが、なかなか「これだ」というものが出てこず、細かいところで行ったり来たりして、全体が進みません。最近では、Aさんは「もう少し区切りの良いところまで進めてから報告します」と言って報告の場をセットしなくなってしまい、マニュアル作成自体が頓挫している状況です。Aさんから透けて見える“自分の業務をオープンにしたくない”という姿勢とマニュアルづくりのスキルが足りないことが、うまく進まない原因である気がしています。社長からも「この件はどうなっているんだ」とプレッシャーをかけられており、あまり時間がありません。私はここからどのようにAさんに働きかけるべきでしょうか。

A24
他責化せず、自責化する

この問題に答える前に、

  1. まず何故属人化したのか
  2. 何故属人化がいけないのか
  3. 属人化したのは誰の責任か?

を考えてみましょう。

通常の仕事で長年同じ社員に同じ部署で同じ仕事をさせていると属人化するのは必然です。一昔前は、分からないことがあればあの人に聞け、というように「生き字引」と呼ばれる、非常に重宝がられ賞賛されるような社員がいたものです。ところが、急速に、コンピュータ化が進むとそのような「生き字引」的な人はかえって効率的な仕事の邪魔となり、属人化が大きな弊害になってきています。
多くの企業が本課題のように多かれ少なかれ、属人化解消に悩まされ困っているのが現状です。

属人化で困ることは、その人が不在になったとき、仕事が回らなくなり多くの人に迷惑をかけることになり、会社の信頼にかかわることです。
そこで、属人化を何とかしなければ、と思うのですが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」の例え通りで、ついついこの問題を放置してしまいがちです。すると、ますます属人化が進んでしまい、解消するのが困難になります。
また、本人も熟知しているその仕事に執着してしまい、挙句の果てにはその仕事を誰にも教えず手離さないようになり、自分の存在価値を上げようとしてしまうものです。 結果として、その人の能力アップ(他の仕事を知る等)の妨げにもなります。

そもそも属人化した責任は会社(経営側)、上司(部長や課長であるあなた)にある訳ですから、Aさんがマニュアル作成できないのであれば、上司であるあなたがAさんと一緒になってマニュアル作成をすべきです。まず、最初に、あなたからAさんにマニュアル作成の大きな方針を示す必要があります。マニュアル作成及び属人化解消はあなたの責任であると認識して、社長(部長)の要求に答えましょう。
さらに言うならば、属人化の問題は多くの会社の喫緊の課題でもありますので、ここは専門家に依頼して誰にでもオープンにされた可視化されたマニュアルを作成するのも有力な一案です。属人化に気付いても本人に言いづらいなど、内輪の問題は外部の力を活用したほうが早道です。また、この属人化の問題は、他の部署も含め全社的に進んでいる可能性がありますので、全社的な統一方法など専門的な知見を活用したほうが抜本的解決につながるかもしれません。
また、締切日を明確にして指示したのですから、上司としてあなたはAさんに締切日を守らせなければいけません。期日を守らないということは、そもそも締切日の設定が悪かったか、あなたの指示をAさんが甘く見て守らなくてもよいと判断しているかだと思います。指示は命令ですから、守らなくてはなりませんし、守らせなければいけません。容認してはいけないものなのです。組織的な仕事には指示を守らせる強い意思、態度が必要です。課長として心して仕事に臨みましょう!

まとめとして、Aさんの問題はあなたの問題(責任)です。一緒になって考える姿勢が必要です。もしあなた自身が、マニュアル作成の方法が分からないのであれば、専門家に聞いて勉強しましょう。属人化はそれほど重要な課題ですから……頑張ってください!

今回のまとめ

  • 丸投げしてはだめ。
  • 部下の問題はあなたの問題なので、一緒に考えましょう。
  • あなた自身が分からなければ、専門家に聞いて勉強しましょう。
担当者コメント

アメリスには、専門家のノウハウがあります!属人化解消の事例についてはこちらから

過去のお悩みはこちら

板ばさみ相談室では皆さまからのお悩みを募集しております。
お問い合わせフォームよりご連絡ください。

回答者: 呑田好文

元陸上自衛隊レンジャー教官。2002年退官(陸将補)
2018年よりアメリス顧問。2024年2月より同取締役。サロン・ド・アメリス講師

健康のためによくウォーキングをしています。ウォーキングは歩数を目的とするよりも、季節の風景や花の香りなど五感で楽しむことを目的としたほうが長続きします。

  1. HOME
  2. Amelys Journal
  3. 第24回