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Amelys Journal

業務の見える化・業務文書整備を
成功に導く10のポイント<後編>
(実例付き)

  • 2022-12-19
  • 業務改革コラム

後編では、「業務の見える化・文書整備を成功させる10のポイント」(前編)で解説したチェックリストに基づいて、実際の失敗事例、成功事例を見ていきます。

業務の見える化・文書整備を成功させる10のポイント

まずは以下のチェックリストをチェックしてみて下さい。

  1. プロジェクトの目的(何のために何をやるか)について、
    トップが決心(決定)している
  2. プロジェクトの実行計画が社内で承認されている
  3. 現場にも“何のために何をやるか”が広く共有されている
  4. プロジェクトの実行部隊が組成されている
  5. 現場から、賛成・反対両方の意見がしっかりと上がってきている
  6. 現場の協力体制が整っている
  7. 現場に対してプロジェクトの進捗を伝達する
    “社内広報”の体制が整っている
  8. 業務文書の浸透・メンテナンスを行う部署がある
    (業務統括部など)
  9. 業務文書を会社の正式文書として決定し、
    全社員へ共有する仕組みになっている
  10. J-SOX、ISO、内部監査や外部監査の仕組みと整合させる
    準備ができている

失敗事例

見える化・文書整備プロジェクトの具体的な失敗事例をご紹介します。上記チェックリストで“No”が多かったプロジェクトは、以下の失敗事例の二の舞になる可能性があるのでご注意ください。

失敗事例①:プロジェクトの目的を「コストカット」メインに
置いている

プロジェクトの第一の目的を「コストカット」とした結果、現場が“自分達の仕事が無くなる”と感じ、プロジェクトに協力してくれず、プロジェクトが早々に頓挫。

失敗事例②:現場へのプロジェクト説明が不充分

現場への説明に充分な時間を割かなかったため、現場の方々がプロジェクトの目的に共感できず、「現場の実態がわかっていない」等と頑な姿勢が醸成。やる気が沸かず“やらされ仕事”で作った為、アウトプットの精度は低く、中途半端な見える化で終わってしまった(アウトプットの精度が業務で使うレベルに満たなかった)

失敗事例③:業務文書の整備を現場に丸投げ

業務文書の整備を現場に丸投げした結果、各部署が独自に見える化を実施し、部署ごとに個別最適なアウトプットが完成してしまった。これらを全社統合することができず、ISOやJ-SOXの資料との統合もできず、生産性は逆に低下。
プロジェクトを管轄する事務局の主張は「何度も説明してくれるのに現場は動いてくれない」であり、現場の主張は「日常の業務が忙しいのに、本社はまた無茶を言っている」で平行線。

失敗事例④:業務文書の整備を外部コンサルタントへ丸投げ

業務文書の整備を外部コンサルタントに丸投げした結果、粒度が粗く、業務の実際では使い物にならないアウトプットが完成。外部監査など、対外説明の資料としてのみ利用しているが、業務の実態を表しきれているものではないことは誰も言えない。

成功事例

成功事例も見てみましょう。いずれもアメリスが支援させていただいた実例です。

成功事例①:現場も積極的にプロジェクトに参加

事務局と現場が、プロジェクトの目的に向かって一丸となって遂行。
特に以下のような動きが出てくると、“よし!私もやろう!”といってプロジェクトに積極的に参加する方が加速度的に増え、社内ムーブメントとなります。

  • 現場から改善案がたくさん出てくる。
  • 現場と事務局で“どうすればこの業務を良くできるか”の議論が繰り広げられる。
  • 部門長同士の忖度ないやり取りが、他のメンバーの前で行われる。

プロジェクトの目的を達成しようというムーブメントを起こすことができれば、どんなプロジェクトでも、成功確度が格段にアップします。

成功事例②:全社で統一された業務文書が日々の業務で使われ、
業務が進化する。

業務文書の整備に、社内が一丸となって取り組んだ結果、全社で統一された業務文書が完成。社内では、立場や役割に応じて業務文書が業務で活用され(下表参照)、Webアプリ上に保存した業務文書の閲覧件数は恒常的に1,000件※/日以上となり、「常に最新の業務文書を見て仕事をする」というカルチャーが定着。※人数規模2千人強の上場企業のケース
また、業務文書の浸透&メンテナンス体制も立ち上げ、現場の声を汲み取りながら、定期的に業務文書をブラッシュアップし、自立的に進化し続けるようになった。

読み手別の業務文書の活用シーン(例)

読み手 業務文書 活用シーン(例)
部長 規程、
業務要領※
組織体制の見直しや業務計画の策定などに活用
課長 業務要領 業務の体制検討、システム化や外注化の業務要件定義、
トラブル対応、担当者への教育などに活用
担当者 マニュアル 新人教育、引継ぎ、日常業務などに活用

※ 業務標準書、業務プロセス、SOP(Standard Operating Procedure)等とも呼ばれる、
業務の全体的な流れを記した文書。

成功事例③:経営指標(決算情報)早期化が実現(60日→20日)

複数の部署や現場の担当者が「業務文書で統一された方法」で業務を遂行するようになったことで下記のような見直しが可能になった。

  • 経営指標の生成プロセスの見直し
  • 各種月次の「締切り日」の見直し
  • 部署間の連携方法の見直し など

その結果、毎月の経営会議に提出される経営指標数値について、これまでの60日前の数字だったものが前月の数字となり、スピーディな経営判断ができるようになった。

成功事例④:営業利益率3%改善

受注を含めた案件管理業務が見える化され、営業担当者の「考える時間」が創出、案件を体系的に分析することが可能となった。結果、主に以下の3つの要素により、営業利益率は業務文書の整備の前後で3%改善(年度ベース)した。

  • プロダクト戦略の見直し
  • 顧客戦略の見直し
  • 移動時間・残業の削減 等

業務の見える化や業務文書整備プロジェクトに関わる方は、ぜひ前編「業務の見える化・業務文書整備を成功に導く10のポイント」と併せてチェックしてみてください。このポイントをおさえてプロジェクトが成功できれば、全社的なCX(コーポレート・トランスフォーメーション)へもつながっていくと思います。

チェックリストに☑が付かない…失敗例に当てはまってしまう…そんな場合には、ぜひ「プロセスのプロ」へお問い合わせください。

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