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Amelys Journal

誰もが「人生の大事なこと」を
大事にしたまま輝ける組織を目指したい。
女性社員座談会で語る多様性。

  • 2023-04-17
  • スペシャル対談

働き方改革や、さまざまな事情を持つ人が活躍できる労働環境が求められている日本。業務改革や仕組み作りによる変革を推し進めるアメリスの社内では、そんな日本の働き方の課題にどう向き合っているのだろうか。アメリス株式会社の取締役・長久晶子、コンサルタントの前山八恵、小林あおいは、全員が中途入社で、それぞれに多様なバックグラウンドを持つ女性社員。3人が、アメリスにおける働き方の現状や今後の目標について、熱く語りあった。

プロフィール

中央: アメリス株式会社取締役 長久晶子
左: コンサルタント 小林あおい
右: コンサルタント 前山八恵

1「未経験OK」が決め手で
アメリスのコンサルタントに応募

小林
まずは、3人のこれまでのキャリアをお話ししたいと思います。前山さんは、2022年4月にアメリスに入社しましたが、前職は印刷会社の営業をされていたんですよね。
前山
新卒で自治体関連や実務書が専門の出版社に入社してシステムを作る仕事をしたあと、病院で総務を経験しました。数年働いたタイミングで、父から実家の印刷会社を手伝ってほしいという話があり、そこからは実家の会社と別の印刷会社で営業をしていましたね。2社目の印刷会社が転退職が多い会社で、長く続けるのは難しいかなと思っていたところ、アメリスのコンサルタントの中途採用の募集記事を見つけたんです。
アメリスの業務内容を見て、当時の仕事でうまくいっていない部分の原因はプロセスが構築できていないことにあると気付いて、興味を持ちました。営業職だったのでコンサルタントという新しい職種に就くのは難しいかなと思ったんですけど、「未経験OK」ということだったので勇気を出して応募しました。

長久
アメリスの採用では、コンサルタント経験者を求めているわけではなくて。社内で業務改革プロジェクトに携わったとか、仕事の中でプロセスについて考えてきたとか、業務改革に問題意識を持って働いてきた人なら、一切、経験を問わずに採用しています。
私は大学卒業後、銀行に一般職として就職しました。当時、一般職は職場で配偶者と出会って寿退社をする人が多い時代。3月の最終出社日に「白いスーツで退職の挨拶をする」というのが定番でした(笑)。私もいつか寿退社するんだろうなと思っていたんですけど、結婚をした頃には「辞めたくないな」と思うくらい、仕事が面白くなっていたんです。業務職という新しい職種ができて職種転換のチャンスにも恵まれて、チャレンジするたびに評価してもらって、期待に応えたいと思ってがんばって……という繰り返しで、仕事がすごく楽しかったです。
小林
アメリスに転職した理由は何だったんですか?
長久
職種転換した後、橘高さん(注釈: アメリス株式会社の代表取締役。前職では長久さんの同僚でした)と同じ部署でプロセス作りの仕事を経験したんです。橘高さんはその事業での独立を決めたんですが、私は当時、ついていく自信がなくて。まぁ誘われてもいないんですけどね(笑)。銀行で一定の成果を出せたら橘高さんにお願いに行こうと思って、そこから5年、銀行で働いてある程度自信ができたところでアメリスに入社させてもらいました。

2大企業で感じた女性のキャリアの天井

小林
私は新卒で小さな広告代理店のコピーライターとして働き始めて、第二新卒で某大手広告制作会社の制作職に転職しました。今は状況が変わっていると思いますけど、当時、その会社は夜中のタクシー帰りが当たり前。業務量も多く大変でしたが、20代の若手にとっては、思う存分仕事をさせてもらえる環境でした。
ただ、結婚して子どもを生むタイミングで、この働き方は続けられないと思ったんです。先輩にも出産後に時短勤務をしている人がいましたけど、その企業はいろいろな意味で社員に対して平等。時短勤務でもグレードが落ちるわけでもないし、ミッションが減るわけでもない。子育て中の女性社員が時短で家に帰ってから夜中に仕事をしているという話も聞き、その働き方を疑問に思って、仕事を一度辞めたんです。
長久
しばらくは育児を重視しようと考えていたんですか?
小林
そうですね。その後、子育てしながら無理なく働きたかったので、時短で、法律事務所のパラリーガル(弁護士業務のアシスタント)として働き始めました。時短の女性が多くて働きやすかったんですけど、与えられた仕事を着実に進めることが重要で、プラスアルファの仕事をしたから評価される環境ではなかったんですね。むしろ、効率化できるフローを提案しても、「やり方を変えたくない」と受け入れられないことも多くて。
これから子どもが大きくなって手がかからなくなっても、チャレンジもできずお給料もほとんど上がらない、それでいいのかなと思い始めていた頃、アメリスの採用募集記事を見つけたんです。「浸透する業務改革」という言葉を見て、「これだ!」と声が出ました(笑)。前職や前々職で改革が進まない理由はここにあったんだと思って、すぐに応募しました。
長久
結婚後の働き方の課題は、銀行にいたときも感じてました。私は子どもを生まなかったので比較的自由がきいていたと思うんですけど、それでも結婚前よりも働き方にメリハリが必要になりましたね。一度、子育てしながら時短で働いている後輩たちに、1日の行動を円グラフにしてもらったことがあって。それを見ると、仕事中よりも家に帰ったあとのほうが忙しいんですよ(笑)。それなのに、時短で肩身の狭い思いをしてほしくないなと思って、一時期そういう情報を社内で共有する場を作る取り組みもしました。
それに私自身、銀行ではチャンスもいただいていたのですが、キャリアの天井も感じていました。業務職は一定以上の階級に上がれなかったし、やはり私の実力では組織を動かすような立場にはなれない規模・レベルの会社だったので、本当にやりたいことを実現するためには、自分がいる場所を変えるべきだと思ったのも、転職を決めた理由のひとつでしたね。

3相手の気持ちを想像できるアメリスの社風

前山
私も前々職時代に子どもを出産して、産休をとったり時短で働いたりしてきましたが、今のアメリスの環境は、時短勤務もできて始業時間も選べて、リモートワークなど働き方が柔軟に決められるので、働きやすいと感じますね。
小林
私もアメリスには、子どもが小さいうちは時短前提で採用していただきました。入社して感じたのは、ライフステージの事情を受け入れてくれる社員が多いこと。アメリスには「良い人間になる」という行動指針があるんです。「相手の気持ちを考える」「困っている人を見たら助ける」など5つの項目があるんですが、採用面接でもそのカルチャーが伝わってきました。子育て中や時短希望ということに否定的な反応がなく、私の事情をふまえて、どう働けば活躍できるかを親身になって考えてくれたんです。
前山
ほかの人の事情や気持ちを想像する力に長けている人が多いというのは、私も感じましたね。
長久
それはアメリスのビジネスが関係しているかもしれないですね。アメリスの業務改革で求められるのは、お客様の状況を理解して受け入れること。どんなに非効率があっても、お客様には様々な経緯・事情があるので、その状況を非難、否定することはないんです。正論を押し付けて変われるならだれも困っていないはず。相手の事情を受け入れたうえで、一緒によりよくして行きましょう、と盛り上げていくコミュニケーションが求められるので、それが社員同士も思いやれる社風につながっていると思います。

4必要なのはライフステージの変化を組み込んだ
働き方の仕組み作り

小林
これから労働人口も減っていく中で、ライフステージなどの事情がある人が活躍する場を制限されるのは、すごくもったいないですよね。
長久
今、アメリスの社員は約15人ですが、これから規模を広げていくには働き方の多様性をもっと広げていかなければならないと思っています。事情がある人が入社すると、どこかにしわ寄せが来るかも、と不安になるかもしれないけど、それを恐れていたらいつまでも変われない。どうすればみんながハッピーな状態で働けるか、試行錯誤できる環境が今のアメリスにはあるので、他社さんの実績からも学びながら、チャレンジしていきたいですね。
小林
性別関わらず、自分が病気になったり、家族の介護が必要になったりすることは誰にでもあり得ることです。昔は労働人口が多かったから、そういう人が辞めてしまっても人を補えたかもしれないけど、今は人口も減っているので、多様な人を受け入れられない会社は今後、先細っていくと思います。
前山
家族の事情や自分の体調によって働き方を変えたい時期は、誰にでもありますよね。子どもが保育園時代に一緒だったお母さんの中には、自営業で、夏は仕事をセーブして子どもと過ごす時間を増やしている方もいましたよ。私たちはお客様の仕組み作りを支援していますけど、働き方にもそういう「構築」が必要だと思うんです。「何が何でも今この仕事を終わらせないといけない」という考え方なら、終わるまで夜中まででも残業するということになるけど、その仕事の意味から考えて、「昼間から早めにできるやり方を考えよう」とか「仕事を2つに分けて2名で分担しよう」とか、働き方から自分で業務構築できれば、主体的に活躍できる。それは、業務改革や仕組み作りを専門とするアメリスならできると思います。

長久
私は今、13歳になる犬を飼っているんです。あと数年で要介護状態になると思うんですけど、そうなったら在宅勤務にさせてくださいって、今から橘高さんに伝えているんですよ。誰でもそういう、人生で本当に大切にしているものがあると思うんです。それを守れるように、お互いがはかり合いながら働ける組織作りができるといいですよね。
前山
この1年はすごく仕事をがんばるけど、その次の半年は仕事のほかにやりたいことがあるとか、家族の体調が悪いので仕事をセーブしたいとか、ふだんからそういうコミュニケーションをしておくことも大事ですよね。
長久
そういう「人生のイベントは誰にでもある」ということが働き方のプロセスに前提として組み込まれていないから、誰かに負荷がかかって軋轢が生まれてしまうんですよね。あらかじめそれを組み込んだ仕組みができていれば、そうなったときに焦らずに済みます。
会社側からしたら「仕事をセーブしたい」とみんなが一斉に言い出したら困るかもしれないけど、この時期は一定の利益は確保して新規案件の獲得は抑えようとか、調整はできると思うんです。無理して他の人にしわ寄せが行けば、仕事をセーブした人が戻りづらくなったり、負荷がかかった人が辞めてしまったりする。長期的には、そのほうがデメリットが大きいですから。社員と会社が「一定の制約が生まれるから、その間はお給料を下げて続けさせてほしい」という交渉をすればいいし、そういう相談をしながら活躍を続けられる土壌が、アメリスにはあると思います。
小林
大企業だと制度や社風をすぐに変えるのは難しいかもしれないけど、私たちの規模のような会社なら、フットワーク軽く変わっていけると思います!
長久
政府の働き方改革関連の委員等を多数務めている株式会社ワーク・ライフバランス代表の小室淑恵さんが、「制約があって1日に働ける時間が短い人を、多く活用すればいい」という趣旨のお話をされていました。トータルの労働時間は確保できるんだから、ひとりを長く働かせるという考え方を改めるべきだと発信されていたんですね。その記事を見て、発想を変えれば難しいことじゃないと思ったんです。新しい仕組みを作って、失敗したら元に戻すこともできるし、中小企業だからこそできるチャレンジをしていきたいですね!

5仕組み作りに前向きなアメリスならチャレンジできる

前山
私はコロナ禍に入社して、初めてアメリスでリモートワークを経験しました。私生活との切り分けが難しいかなとも思ったんですけど、問題なく働けました。今はリモート前提で仕事を探している人も多いですよね。
小林
そうですね。ただ、リモートワークだとコミュニケーション量は減るという事実はありますね。これからアメリスが新しい社員をもっと受け入れていく中で、リモートでの新人フォロー体制も含めた仕組み作りを本格的に進める必要があると思っています。
長久
リモートでチーム力を上げる働き方も、アメリスが他の会社に先駆けて取り組んでいきたいです。アメリスにはいい人が多くて、困っていたら必ず周りの人が助けてくれます。それ自体はとても素晴らしいことですが、人柄の良さだけに頼るのも良くないと思っていて…誰かが働き方を変えたら、いい人にしわ寄せがいってしまうことってよくあるじゃないですか。
小林
怒らない人に仕事を押し付けていたら、ある日突然、何も言わずに辞めてしまうというのも聞きますよね。いい人が損をする状況は、やっぱり歪んでいるので避けたいです。
長久
お互いに「何かあっても仕組みでカバーできるから大丈夫」って思える環境を整えたいです。誰でも人生や働き方に凸凹があるから、会社全体にも凸凹はあるんだけど、それが大きな凸凹にならないように、余裕がある人・ない人、制約がある人・ない人、または時期によって、みんなで凸凹を埋め合って一定ラインを守る仕組みが大事だと思います。私たちが中心になって、その具体案を、いろいろな人の意見を聞きながら取りまとめて提案していきたいですね。
アメリスのメンバーって、最初から「できない」と言うのではなく、その前提を理解して「やってみよう」と前向きにとらえてくれるから、今の環境ならチャレンジできると思います。
小林
多様な意見を出し合うためにも、いろいろなバックグラウンドを持つ人に入社してもらいたいです!
長久
制約がある人が働きやすい環境を作ることは、結果的に、すべての社員のためにもなるはずなので。それを、働き方に制限がある人からの要望に応えるという形でやるのではなく、みんなの合意の上で進めていきたいと思います。

6アメリスから働き方の多様性を広げていきたい

前山
日本はジェンダーギャップ指数も低くて、国全体が変わるには時間がかかるかもしれないとも思います。でも、働き方の多様性を受け入れられない人の考え方を変えるためには、声をあげる人が必要なんです。時短勤務をする側も、ただ申し訳なさそうに帰るんじゃなくて、「こういう事情がある」と伝えていかなければいけないと思います。地道な作業ですけど、まずは身近な人同士で声をあげて、理解を広げていきたいですよね。
小林
日本は多様性を受け入れにくい文化があります。高度経済成長期は似た考え方の人でがんばるのが効率的だったし、村社会では、自分たちと違う人は入れないほうが安全でしたから。同性婚を認めるかという議論でも、反対意見に違和感を覚えるんです。自分がそれを強いられるわけではないのに、「古き良き家庭制度が崩れる」と反対する人がいて、なぜ自分と違うことをしたい人を受け入れられないのか不思議です。もちろん、「イヤだな」と思う人がいることも認めないといけないとは思います。お互いがお互いを理解する努力を重ねることで、少しずつ状況を変えていきたいですね。
長久
極論ですけど、「常に成長」というベクトルから、長期的な成長を目指していったん重心を変えるという発想も必要ですよね。多様性を拒否したり、新しい仕組み作りに踏み切れないのは、「成長し続けなきゃいけない」というプレッシャーによる疲弊にも原因があると思うんです。疲弊していたら結果的に成長できないし、人にも優しくできませんから。体制を整えるための期間も必要だと思います。
小林
私も広告制作時代、半年ごとに成果を出し続けて、それをアピールしないと評価されない環境で、「次の半年のミッションは前期キープでお願いします」とは言えない空気でした(笑)。成長をし続けないとやる気がないように見えるけど、そういうわけではなくて。余裕を持つ時期も必要ですよね。
長久
「現状維持は後退」という価値観が強いですからね。でも、一生全速力なんて無理でしょう。山登りだって、頂上にたどり着くために、途中で下ることもあるし、目の前の上り坂が急すぎれば横道にそれて大回りすることもある。下降の時期や脇道にそれる時期も所与とした設計をすることで、トータルで伸びると思います。将来のために今、仕組み作りなどのやるべきことをやる。そういう選択を前向きにできる風潮も、アメリスから作っていきたいですね。

小林
本日はどうもありがとうございました!みんなが「仕事が楽しく」なるために、アメリスの新しいスタンダードを、この3人から発信していきましょう。
長久
この座談会、またやりましょう!今度は男性社員や若手など、色々な立場の方も入れてお話ししたいですね。

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