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業務改革成功の秘訣

3業務文書=仕事の教科書?

1. 「仕事の教科書」は必要?

前回、業務の見える化とは業務文書を作ることであると述べました。しかしながら、業務文書を作成していると、「字面だけまとめても実践では役に立たない」「マニュアル人間をつくるつもりか?」と言われることがあります。
こういったご意見、私も非常にわかります。何を隠そう、私も若い頃はそう言っておりました。

もちろん、アメリスが言いたいことはそういう事ではありません。
“業務の見える化”を行うということは、社内で共有しなければならないことや最低限の仕事の回し方などを社内の皆がわかるもの、すなわち“仕事の教科書”としての業務文書を作りましょう、ということなのです。しかもそれらを、どんな人でも理解できるよう、シンプルな形で整備しましょう、と。
“OJT (On the Job Training)の教科書”とも言えます。

「教科書なんか作ってもだれも読まない」という方もいらっしゃいます。確かに教科書を隅々まで読まないかもしれませんが、教科書がないと、色んな人が色んなことを言って、物事の考え方・進め方が分からなくなってしまいます。簡単なことでも、言い回しが違ったりとか、伝わるべきことが伝わらないということが起きてしまいます。

小学校を思い出してください。教科書が無かったらどうだったでしょう?授業はあらゆる意味でまとまりがつかなくなるでしょう。
同様に、会社も教科書がないとまとまりません。
教科書があると、その組織の中での最低限の基本を、教える側も教わる側も効率よく教え、学ぶことができます。そして「同じ教育を受けた仲間」の間には「同じ釜の飯を食った仲間」と同様に強い団結心が生まれ、組織がまとまり、当然生産性も向上します。

まして「ビジネスとは仕組みである」と言われるものである訳ですから、業務の再現可能性を担保するためには、「仕事の教科書」である業務文書は必須と言えます。

2. 今この時代だからこそ「仕事の教科書」は必要

最近の働き方改革において、よく「生産性向上」という言葉が見受けられますが、社内教育の生産性の向上こそ、取り組むべき課題ではないでしょうか?

事業が安定していて、会社も大して変わらなくてよいのであれば、教科書が無くても仕事は回せます。しかし会計、コンプラ、IT、さらには若い人たちの価値観や働き方も大きく変わる今この時代、(仕事の教科書を作るのは、とても面倒で労力のかかることですが、)一番やらなければならないことは、実は「仕事の教科書を作ること」なのだとアメリスは考えています。

昨今の報道を見るに、「うちの教科書はちょっと古い」では許されない時代になっているといえます。時代の潮流を読み、それに合わせて教科書を書き足し書き換え、組織として新たな時代に対応していく必要があるのです。教科書作りは大変な作業ではありますが、これをできなければ「時代を読み間違えた会社」となってしまうのです。

3. ISO文書やJ-SOX文書ではだめなのか?

「仕事の教科書」「業務文書」というと、よく「今あるISOやJ-SOX文書ではダメなのか?」と言われます。「フロー図だけなら基幹システム用のものがある」とも。もちろん、これらが「仕事の教科書」として問題なければそれで結構です。

ただ、一般的には、これらの文書やフロー図は、それぞれの目的に沿った専門的な記述ルールで記載されていますので、これだけでは対象業務の全体を見ることができません。
例えば、基幹システムのフロー図であれば、システム入力前後の「主管部との調整」や「顧客とのやり取り」等は“見える化”されていません。あるお客様が行った業務分析によれば、基幹システムが関与する業務は業務全体の僅か2割程度でした。すなわち、残りの8割の部分も含めて“見える化”しないと、「仕事の教科書」とはなりえません。
業務改革および日常の業務において、皆が理解を共にするための文書とするためには、それ用の記載方法が必要なのです。

対象業務の全体を「業務要領」として一旦整備してしまえば、そこからISOやJ-SOXに該当する箇所だけわかるようにマークアップし、これをISOやJ-SOXとして位置付けることは可能です。実際そうやって監査法人と合意しているお客様もいらっしゃいます。こうすると、「日頃、教科書通り仕事をしていれば、結果としてISOやJ-SOX、その他の監査をクリアできる」となり、現場業務はとても効率的になります。ISOやJ-SOXも本来の目的、力を発揮します。

そういった観点からも、対象業務の全体を網羅する「仕事の教科書」である業務文書は、是非整備しておきたいものです。

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